ウィトゲンシュタインの<表出>

哲学の歴史〈第11巻〉論理・数学・言語 20世紀2

哲学の歴史〈第11巻〉論理・数学・言語 20世紀2

後期の思索において、ウィトゲンシュタインは、アナロジーと振る舞いを重視した、という話。この解釈がどれほど正道なのか私に判断することはできないけれど、振る舞いを基盤にした言語、という発想は面白かったです。「痛い!」と言葉で言うことは、「うーっ」と呻くとか、顔をしかめるのと同じく、言語を習得した人にとって自然と出てくる振る舞いなのだというわけです。
というわけで、彼にとって、詩人などはその典型のような人々です。なぜなら、彼らは私たちが普段用いるのとは異なる仕方で言葉を用いるわけですが、それを可能にしているのは、彼らがすぐれて、言語を習得した人であるからであり、いわば言語の身体を得ているからです。
私も早いとこ、デザインの身体を手に入れたいなと、思った次第です。