好きなものを増やす

なかなかものを作ることができません。こういう時間が続くと、自分が本当にやりたいことがなんなのか、薄らいできてしまって、怖いです。今日はそういう気持ちについて書いてみます。


私は何かを心から好きだと思うことが少ないです。本当に大切にしたいものとか、ずっととっておきたいもの、ずっと愛し続けたいものが、少ない。ほとんどないと言っても良いかもしれません。
でも、近頃それではだめかもしれないと思うようになりました。好きなものが少ないことは、何かを発想するうえで損だからです。


発想は、何もないところから生まれるのではない、と考えています。むしろ、無秩序に沈んだ海の中から見知らぬ者同士が手を取り合うようにして、浮かび上がってくるのが発想ではないか、と。海の中には沢山の生物がいるほうが豊かですし、さまざまな出来事が起こります。私たちが発想を得ようとするとき、それと同じことが言えるのではないでしょうか。


では、心から好きなものが一つの人と、心から好きなものが三つの人、どちらがより豊かな発想を得られるでしょうか。私は後者だと思います。
一つのことに専心するのが悪いのではありません。それよりはむしろ、もっと良い状態を得るためには、一つより二つ、二つより三つ、好きなことがあるほうがいいと思うのです。もちろん、中途半端に好きなのではダメです。それを見ると心が高鳴り、耳にすれば気持ちが軽くなるような、そういう何かでなければなりません。


つまるところ、恋をするのと同じことかもしれません。私はもっと多くのものに、恋しなければならないようです。そして焦がれるだけでなく、実らせる努力をしなくては。