thinking

価値の多様性

価値の多様であること、あるいは、個別の価値の尊重。一方的な提示ではなく、フィードバックによる変化。 一方的、画一的であることの向こう側。 現在でいうと、こちら側。 なぜ多様であるということはよいことなのか。 それぞれの人間でいなさい、と言うこ…

働くということ

だいぶご無沙汰になってしまいました。実はこの2年ほど、ドイツはハイデルベルクにおりました。とても綺麗な大学町で、貴重な時間を過ごすことができました。 帰国後すぐ仕事を探しておりましたが、このたびめでたく中規模の住宅関係の会社へ入社が決まりま…

それ自体は悪くないのに、多用されることで意味を失う

スタイリッシュ、シンプル、という言葉の使い方に戸惑いを覚える。特に、この言葉が宣伝文句として用いられる場合が顕著だ。さらに言えば「スタイリッシュな○○」「シンプルでスタイリッシュな○○」などという言い回しに出会うと憤りすら感じる。この人はほん…

建築物と建築写真

建築物について、ドキドキする瞬間はいつ訪れるのかというと、たいていそれを写した写真を目にしたときです。特にそれが、これまで見たこともないような不可思議な空間であったり、美しい空間であったり、まがまがしい空間であったりするとき、私はその空間…

純粋主義について

あるものの本質を見極めようとする傾向は、人が生来持っている傾向ではないかと思います。私たちはものを把握するときに、単純化しようとする。それは単純に言語を用いるということではなく、ある統一された体系に定着させようとする傾向のことです。たとえ…

考えることと生きること

わたしはつい最近までずっと、勉強することと毎日生きることとは別のことだと思っていました。理屈では、勉強したことが日々の生活に役に立つ、と理解していましたが、実感していなかったのです。つまり、「あ、つながってる!」って思う場面がなかった。 で…

写真の美しさ

綺麗な写真を見ると、無条件に感動します。たとえば、こんなの: http://www.dezeen.com/wp-content/uploads/2008/12/casa-205-by-h-arquitectes-205_17b.jpg 写真としては、なんてことない部類の写真ですが、そこにある生活の様子が見えてくるようで、私は…

叫び声の快楽

叫び声、あるいは大音量のハイトーンヴォイス、歌い上げ、にある、ある種の気持ちよさ、カタルシスについてそのうち考えてみたいです。多くの人に支持されるのは、やはりそこに共通した良さがあるからだと思うのです。実際、高らかに歌い上げた音を聴くこと…

続・小説のためのウェブサイト

小説を読むという行為の特徴はなにかと考えたとき、やはりページを繰るという動作が一役買っているのではないか、ある人との話でそんな風に思いました。 彼はゲームブックをとりあげて、あの形式の特殊性が、ある一つのストーリーを追いながらも、別のストー…

喪服の黒

少し前、喪服を調達せねばならない状況があったのですが、そのときに、同じ黒でも実にさまざまな色があるということに気がつかされました。 喪服には主に、化繊を使ったものと、ウールを使ったものがあり、まずこの素材の違いが色に影響を与えます。ウールの…

ものづくりの定義

どうも、だんだんと分かってきたのですが、私の考えているものづくりというのは、やたら範囲の広い意味を持っているようです。 ふつう、ものづくりというと、そのひとの手足や道具を使って、そのひと自身が新しいかたちを生みだすということを言うのでしょう…

建物の外側と内側

学生の頃はずっと、建物の外側をどうするか、しか考えていなかったような気がします。見た目のインパクトとか、新奇さとか、調和とか、そういうこと。 もちろん建築物はある一定の物理的空間を占めるのだから、環境に対して直接触れる外側というのは重要です…

デザインにおける私

先日お世話になった面接で、やっぱり作らないとダメ、という話をされた。そりゃそうだ、と思いました。そして、だとすると、私は何を作りたいんだろう、と改めて思いました。 漠然と、ものづくりがしたい、だけでは当然、何も前に進んでいません。そんなこと…

好きなものを増やす

なかなかものを作ることができません。こういう時間が続くと、自分が本当にやりたいことがなんなのか、薄らいできてしまって、怖いです。今日はそういう気持ちについて書いてみます。 私は何かを心から好きだと思うことが少ないです。本当に大切にしたいもの…

実のあること

なんだか、ものづくりする人間としてとんでもなく無意味なことを書いてしまったのかもしれない。そもそも、書くという行為からして、ズレていたのかもしれない。今日はそんなことを感じました。もう少し、実のあることをこれからは書こうと思います。 今後の…

なぜ、今か

最初の目的は、なぜ、いま、デザインか。その動機と魅力を探ることでした。ここまで述べてきたテキストの中で、大方の見当はついたかもしれません。 私は、かたちを作りたい。かたちを作り、それを残したい。 それは欲求であると同時に、私が人間と関わるひ…

モノが相手

そろそろ、最初にあげたデザインの魅力もおわりに近づいてきました。今回は、現実的なモノが相手だということについて考えてみたいと思います。少し長くなりましたが、お付き合い下さい。 私はここ4年ほど、ずっと哲学を専門にしてきました。4年前に(もっ…

新しいものをつくる

寄り道から戻って、ふたたびデザインの魅力について考えてみます。今日は、新しいものをつくる、ことについて。 新しいというと、まっさらな何もない状態から生まれてくる様子が思い浮かびます。 白いボードの上に描かれていく黒い線。 粘度の塊から生まれる…

デザインは特別なのか

昨日は、デザインは自由だ、という話を書きました。今日は、デザインの魅力から少し寄り道をして、デザインは特別か、ということについて書きたいと思います。というのも、昨日、父が電話でこういうことを言ったのです。 「オレのやっていることは、デザイン…

自由であること

昨日は、魅力と思える事柄を列挙して終わったので、今日はそのうちのひとつについて考えてみます。 デザインの魅力を考えていて、一番最初に思いついたのは自由だということでした。 自由、といっても、何をしてもいい、という自由ではありません。むしろデ…

なぜ、いま、デザインか

少しのあいだ、このことについて考えてみようと思います。 なぜ、いま、デザインか。 この分野を選択することの意義はなにか。 なぜ、が動機を尋ねているのなら、答えは簡単です。いま、一番したいのが、デザインだから。興味がある、だけでなく、現実に職業…