建物の外側と内側

学生の頃はずっと、建物の外側をどうするか、しか考えていなかったような気がします。見た目のインパクトとか、新奇さとか、調和とか、そういうこと。
もちろん建築物はある一定の物理的空間を占めるのだから、環境に対して直接触れる外側というのは重要です。
ただ、今の関心は建物の内側の方にある。そういう、面白い外側をもつ建物の内側はどうなってるんだろう、ということが、とても気になるのです。
Dezeen(http://www.dezeen.com/)というサイトをよくみるのですが、ここで登場する建物をみるたびに、この建物の住み心地はどうなんだろうと考えてしまいます。たいてい、こういうところでの特集は外側がメインになってしまって、内側にスポットがあたることが少ない。それが残念です。
内側の空間を作るのは外側の形なわけだから、外側の形だけではなく、それが内側に対してどういう影響を与えているのか、あるいは影響を与えないように工夫されているのか、そういうことが知りたい。建築家は何を考えてこういう形にしているのか。住む人の快適性はどうなっているのか。建築が人と関わるのは外側よりもむしろ、その内側であると思います。モニュメンタルな側面よりもむしろ肌を触れ合わせることのできる側面。外側と内側の必然的な関係というものはないにしろ、それが心地良い結びつきをなしうる可能性を、建築家はやっぱり探るべきなのではないかと考えています。